2023.09.08 10:58技術者から見たモイーズモデル(中川康大)特別寄稿モイーズ研究室に出会ってもう20年くらい経つでしょうか。クラシック音楽の素養も、フルートに対する理解もほとんどなかった私が、初めて触れたマニアックな世界。とは言っても、マニアックであることは私にとってそれほどの価値はなく、むしろそこに記されている内容、アップロードされている音源を聴き、そこに本質があると直感的に確信して勉強させていただいて...
2023.07.15 10:48モイーズとヴィブラート。モイーズは管楽器にヴィブラートを使うようになった最初期の奏者であるため、その考察や語られていることには私たちのヒントになるものがたくさんあると感じています。今日はモイーズの著書やモイーズと関係のあったフルート奏者が語ったことをご紹介しながらヴィブラートについて考えていきたいと思います!まずは時代背景についてモイーズの言葉を。「管楽器におけ...
2022.08.24 03:22モイーズモデルのキーについて私は高校生の時に初めてインラインリングキーの楽器を持ち、以来モイーズモデルに出会うまでずっと使用してきました。日本人女性の中では身体も大きい方なのでそれほど苦労したこともなく、リングキーが当たり前だと思っていましたが、モイーズモデルを使うようになってその「当たり前」が大きく覆されることになったので、今日は使い始めから現在までに私が感じたこ...
2022.04.06 02:33モイーズ・トリオ1937年のコンサートプログラム友人の好意で1937年にモイーズ・トリオが行ったコンサートのプログラムを入手しました。場所はシャルルヴィル市立劇場とありますが、ここはCharleville-Mézières、シャルルヴィル=メジエールでフランス北部、ムーズ川河畔、アルデンヌ県の県庁所在地のようですね。広告に記されている住所(rue Republique)などでも検索しま...
2021.10.08 07:00Couesnonのカタログを辿ってみました。こんにちは。助手のSawakoです。私は先日オークションでCouesnonのクラシカルピッコロを見つけ購入したのですが、(詳しくは私のブログをご覧ください↓)
2021.06.23 09:16なぜモイーズはオープンホールフルートを「ナンセンスだ」と言ったのか?マルセル・モイーズが残した言葉に、「フレンチモデル(オープンホールフルート)を使っているからフレンチスクールと言うものではない」「オープンホール? ナンセンスだね。」というのがあります。(原文を書き写したわけではなく私の記憶です)彼にはアメリカ移住後も自分こそがフレンチスクールの伝統の継承とそこからの発展を担う者であるという気持ちが大きか...
2021.06.10 01:54洋銀はあつかんが好き。さてさて、洋銀フルートをきっかけに室長と出会った私は、Couesnon Monopole(モイーズモデル)を吹くように。フランスのオールドフルートには素晴らしいメーカーがたくさんある中で、私がこの楽器を手放せなくなった理由は・・(タイトルに書いちゃってますが)その①管厚が厚い!!これ、あまり語られていないと思うんですが、私にとってはとても...
2021.06.08 02:37Couesnon Monopoleとの出会い(助手編)みなさまはじめまして。このサイトの運営のお手伝いをさせていただいているSawakoです。私は洋銀フルートに興味を持って調べている時に室長と出会い、そこからモイーズのことを知るようになったという少し変わったルートでやってきましたので、まずは自己紹介も兼ねてそのことを書きたいと思います。長くなりそうですが、よろしければおつきあい下さい!私は2...
2021.05.18 03:41Couesnon model Monopole を入手 5月に、全く予定していなかったのだが、ある掲示板の書き込み情報からCouesnonのモイーズモデルをヤフーオークションを通じて入手することとなった。 僕はずっとモイーズモデルは特に欲しくないと言ってきた。このモデルを手に入れることと、モイーズのような演奏に近づけるのか?ということには「全く関連性がない」反面、「楽器に個性や超能力(?)を...
2021.04.29 08:35Cisトリルキーやオフセット形状の理由 楽器の話は、どうしても誤解を招きやすい・・・。 モイーズが使用していたクエノン社の楽器、ならびにその市販モデルであるモデル・モノポール(モイーズモデル)を使用して演奏すれば「モイーズのような演奏ができる」とか「モイーズの演奏に近づく可能性がでる」とは思わない。 モイーズモデルは確かに個性的な部分のある楽器ではあるが、モイーズの演奏におい...
2021.04.02 04:52ムラマツによるコピームラマツはモイーズ自身の依頼により、モイーズが使用していたクエノンのコピーを作製している。これに関して僕が得ている情報は、季刊「ムラマツ」Vol.6 1985年冬号(1984年12月20日/発行)とPIPERS Vol.43 1985 MARCH号(1985年2月15日発行)掲載の記事だ。(もし他にも情報が掲載されている出版物をご存じの方...
2021.03.04 03:19スケールチューニングの原理について このシリーズではクエノンのモイーズモデルとそのコピー、または他の設計によるフルートのスケール(チューニング)について語ることが多くなると思われるが、その基本的な原理について確認しておきたい。 これについて、クーパースケールで有名なアルバート・クーパー氏による説明が大変わかりやすい。ジェームズ・ゴールウェイ著「フルートを語る」(シンフォニ...