洋銀はあつかんが好き。

さてさて、洋銀フルートをきっかけに室長と出会った私は、Couesnon Monopole(モイーズモデル)を吹くように。

フランスのオールドフルートには素晴らしいメーカーがたくさんある中で、私がこの楽器を手放せなくなった理由は・・(タイトルに書いちゃってますが)


その①

管厚が厚い!!


これ、あまり語られていないと思うんですが、私にとってはとてもとても重要でした。

洋銀のBonnevilleの響きは本当に大好きだったのですが、どうしても裏返りやすい部分があり、薄氷を踏むような感覚が常にありました。


ですが、Couesnonのモイーズモデルにはそれがない!!

(ただ狙いどころは狭い感覚があって、そのシビアさなどについてはまた別の機会にでも)


洋銀ならではの柔軟性と明るい響きはそのままに、安定性はしっかりあるところがとても良いのです。


この楽器の管厚が何ミリなのか気になるところですが、私は計測データを持っていないので(どなたかご存知でしたら教えてください!)ちょっと重さを量ってみましょう。

なんと、Couesnonは486g!!

みなさんの楽器と比べていかがでしょうか?

(比べる時はC足でお願いします!笑)


ちなみに、今私の手元にある楽器では、

Sankyo CS エチュードが387g、

マテキ943バラード(総銀製14Kヘッドキャップ付き)でも434gでした。


もちろん、あの特殊なキーの形状の分と、ソルダードとドローンの違いなどもあるので、完全な検証にはなりませんが、洋銀なのにずしっと重いということは伝わるのではないかと思います。


そして、その重さが演奏に対してなんらかの妨げになるようなことはないと感じています。恐らく、銀の楽器でここまでの管厚を持たせてしまうと、ロングトーンの響きに厚みは出ても、細かいパッセージで足を引っ張られるような重さが出るのではないでしょうか。


Couesnonを吹くと、安定性は高く、操作性は下がらず、洋銀という材質の特徴と良さを生かすには、このくらいの管厚が最適なのでは?と考えるようになりました。このような設計がどうやって生まれたのか、とても気になるのですが、資料が残っていないのが残念です(いつかどこかから出てくることを願いつつ)。


熱燗・・ではなく厚管のお話を、日本酒なら冷やが好きな助手Sawakoがお伝えいたしました。次回は「短い!!」をテーマにまた色々と書いていきたいと思います。よろしければお付き合い下さい!



マルセル・モイーズ研究室

「私の死後にも、音楽への敬意という伝統をフルートを吹く人々に残してゆきたいものだ」 マルセル・モイーズ 20世紀最大のフルート奏者の一人とも称されるマルセル・モイーズの足跡を辿るサイトです。 (スマホの方は左上のメニューバーからお入り下さい。)